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ケース23:独禁法違反? はぁ? 意味わかんねーわ 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸 氏

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不当廉売の違法性

 要するに、一定のルールに基づく競争は、経済発展にプラスとなりますが、「北斗の拳(古いか!)」に出てくるような「ルール無用で、何でもありの体力勝負の、リアル&ガチンコ弱肉強食」まで許すと、競争が活発化するどころか、将来的には競争はなくなってしまいます。

 「体力勝負の原価割れ販売を続けて生き残った事業者」は原価割れ販売によって損失を被りますが、ライバル全員を市場から追い出した後は、今度は高い価格で商品販売して、一時的な損失など容易に取り返すことができます。

 このように、競争自体はいいとしても、「行き過ぎた」安売り行為は、独占禁止法の意図する「効率性に基づく競争」ではなく、「資本力・体力勝負で、競争とはいえないような、殺戮・殲滅」を助長することにつながりかねません。

 このようなことから、独占禁止法上、「正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、その他不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為」(不当廉売)は違法とされているのです(一般指定6項)。

公正取引委員会による不当廉売摘発例

 実際、2012年4月、ガソリンを不当廉売した疑いがあるとして、福井県のガソリンスタンド運営大手Mと、親会社で仕入れ先のM商事の本社などを公正取引委員会が立ち入り検査した、という事件が報道されました。

 最近の事例としては、愛知県常滑市で、原価を割り込んでいるとみられる極端な安値でレギュラーガソリンを販売したとして、2015年12月24日、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当廉売)の疑いで、会員制量販店Cと石油販売業Uオイルに警告する、ということが発生しています。

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