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ケース23:独禁法違反? はぁ? 意味わかんねーわ 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸 氏

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顧問弁護士 畑中鉄丸の助言

なぜ、安売りをして公取委に怒られるのか?

 我が国は、国是として、市場原理に基づく自由競争によって、経済発展を標榜しています。

 市場に参加する企業等に価格と品質を競わせる、いわゆる「能率競争」をさせることを通じて、世の中に「安くて、エエもん」をどんどん普及させ、「みんなが楽しく豊かな経済生活を営めるようにしようぜ」ってことです。

 そうすると、安売りは一般ピーポーにとってメリットはありますし、競争を活発化させますし、国是にかなうものとして、反競争行為を取り締まることをミッションとする公正取引委員会からホメられこそすれ、怒られる理由はビタ1グラムもないはずです。

 ところで、生物学の話ですが、こういうことが言われています。「強力な外敵がいない閉鎖性体系に強い種が入り込むと、弱い種はことごとく全滅の道をたどる」と。

 お互いが切磋琢磨して「競争」できる状況であれば、事業者が競い合って値段はどんどん下がり、商品の品質も向上することが期待できます。

 ですが、特定の市場空間において、圧倒的な経済力をもつ「強い種」が、カネにモノを言わせ、零細な「弱い種」を、なぶり殺しをするかのように殺戮してしまい、競争相手が駆逐されたら、次に何が起こるでしょうか?

 もはや競争相手がいなくなって「やりたい放題」の状況が出現してもなお、生き残った「強い種」は、真摯に、誠実に、安くていいものを提供すべく、永遠に努力を続けるでしょうか?

 おそらく、逆ですね。

 当該市場空間において、競争相手のすべてを絶滅させ、「競争状態」がなくなったら、生き残った「強い種」は、何の遠慮もせず、好き勝手、値段を決め、粗悪品を押し付け、その利益を独占することになる、というのが、歴史上証明された事実です。

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