経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

ケース13:採用は自由、されど解雇は不自由。それも、シビれるくらい不自由 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

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 こないだも、そういう部下を任されたプロジェクトマネージャーが、俺のところに泣きながら相談にきて、「あんな新人類、私の手になんて負えません、社長、さっさとクビにしてくれないと、他のスタッフたちが辞めてしまいますよ!」なんて言ってくる始末!

 正直、そんな腐れ外道を雇っていたら、エラいことになる。電光石火のごとく解雇し、我が社から追い出してやる決意をした次第じゃ!

 人事に調査させたところ、ウチの就業規則には、「労働能力が劣り、向上の見込みがない」場合には普通解雇ができるっていうルールがちゃんと書いてある!

 現在、社会保険労務士資格を取るべく勉強をしておる人事責任者の三沢も、「クライアントとのコミュニケーション能力が無いとか、そもそも、クライアントとケンカしちゃうとか、さらには社内でのコミュニケーション能力養成の訓練もしないヤツなんてのは、まさに『労働能力が劣り、向上の見込みがない』にあてはまるから、解雇に問題はありません!」と太鼓判を押しておる。

 三沢が言うには、解雇するには、最低1カ月間の猶予を与えるか、1カ月間分の手当をくれてやれば、即クビにできるそうじゃ。

 まあ、当社は、金融機関の重要な情報を扱っており、クビと決まった奴が、「どうせクビなら、情報を盗んでいって、どっかで売りさばいてやれ」などと邪道な考えで、1カ月の間に、目の届かんところで情報を盗んでいくやもしれん。なんせ、トラブルメーカーの腐れ外道じゃからの!

 ま、そういうわけで、捨扶持(すてぶち)として、1カ間月分の給料をくれてやって、すぐに追い出すつもりなんじゃ。

 早速、明日、社長室に呼びつけ、「お前は、クビじゃ!ファイヤーじゃ!」と申し伝えるつもりじゃ。

 何か、文書とか通知書とか、そういう法律的なものがあれば、すぐ作って、明日の朝までに三沢にメールで送ってやってくれ。

 ま、そういうわけじゃから。頼んだぞ、先生。

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