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ケース18:ノーアクションレターを使ってうまいこと攻めろ! 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸 氏

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顧問弁護士 畑中鉄丸の助言

ノーアクションレターはお役所からの「お墨付き」

 ノーアクションレターというものを聞いたことがおありでしょうか? これは、法令適用事前確認手続と言われるものですが、昔風に言えば、「お墨付き」といった趣のものです。

 企業が新商品を販売したり、新事業を立ち上げたりする際、当該企業活動の法令抵触の有無が明らかでないため、行政処分や刑事処罰を恐れて必要以上に萎縮する場合があります。特に、日本の場合、これまで裁量行政が多く活用されてきたこともあり、監督行政機関が突然、思いもよらぬ形での異議を出すことがあり、企業に萎縮効果(チリング・エフェクト)が働きます。

 ノーアクションレター制度とは、米証券取引委員会(SEC)の法令適用事前確認手続を参考に作られた制度で、企業が検討している事業活動がはらむ許認可などの取得の必要性や行政処分・罰則などの適用可能性について、監督行政機関に事前に見解を求める手続であり、実施のガイドラインは、各省庁ごとに個別に定められています。詳細は、電子政府の総合窓口を参照ください。

 正式な事前確認の照会があれば、行政機関は一定期間内に回答をすべき義務を負います。ただし、回答については、行政機関のウェブサイトに公表されますので、企業としては事業の保秘が困難になるという難点がありますので、注意が必要です。

 当該照会に関して必要となる「照会書」の様式についてですが、今回、問題になりそうな厚生労働省の様式はここに示します。

 「紹介書」の記載要領はこうです。まず、「ある規制法令の適用を受けないこと」についてノーアクションレターを得ておきたいというときには、「当該適用法令」を記載し、次に、「自社が将来自ら行おうとする行為」についてなるべく具体的に(必要ならば図表などを用いて)記載します。

 行政機関は当該照会書に表れた事実だけを前提事実として判断を行うため、判断の基礎とすべき事情は多い方が正確な意見が得られるためです。その上で、「自社の行為には当該法令の規制が及ばないこと」について、自分の意見を論理的に述べることが必要です。

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