経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

ケース8:行政処分ごときにビビるな! 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

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顧問弁護士 畑中鉄丸の助言

行政(役所)も裁判所も、みーんな同じ「お上」?

 中央省庁に勤める行政官僚も、裁判官も、世間一般の認識においては、「法律に関連して、何か難しそうなことをやっている公務員」という形で十把一絡げにされており、両者の違いについては、あまり気にされていません。

 たしかに、大ざっぱなイメージで語れば、消費者庁の官僚も、裁判官も、その外観は「青白くて、メガネをかけていて、勉強ができるけど、スポーツ音痴で、東大とか有名大を出てて、一緒にいてもツマンなそうな、地味な役人」となるかもしれません。

 しかし、小学校や中学校で習ったことがあるかもしれませんが、「三権分立」という枠組みで、この日本という国家は動いているのです。

三権分立(独裁者の大チョンボを回避する仕組み)

 ご承知のとおり、「三権分立」の枠組みでは、「立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)」というように、国家権力が分散しています。

 ここで、三権分立が導入されていなかった江戸時代では、対照的に、三権は分離されず、幕府がこれら全部を握っていました。すなわち、江戸時代は、「幕府が、法律を作り、治安維持や治水事業などの行政活動を行い、民事刑事のもめ事は、幕府の一部門である奉行所が行う」という統治システムが採用されていました。

 このような統治システムも、合理性が全く無いわけではなく、他からのチャチャが入らない状態で、思いのまま国家権力をふるったほうが、効率が高いのは確かであるため、「マトモなリーダー」が君臨している限り、その国家は飛躍的な発展を遂げるでしょう。

 しかし、不幸にも「マトモでないリーダー」が君臨した場合には、まさに「やりたい放題」となります。「マトモでないリーダー」が間違った行為をしたとしても、誰のとがめを受けることもなく、そのまま暴走し、国の運営は大変なことになり、国民は「どん底」の生活に陥るかもしれません。

 そこで、日本をはじめとして、現代の国家の大半は、「効率性は犠牲にしつつ、国家権力を三つに分離して、あえて相互にいがみ合いをさせ、国家権力の一つが暴走しても、他の国家権力によってブレーキをかける」という三権分立を採用しました。「独裁者の大チョンボのリスクを回避する統治システムのほうが、国家は長持ちし、国民も、『どん底』の生活を回避して、そこそこハッピーな人生を送れる」ようにするのがベストである、との哲学が、そこにはあるのでしょう。

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