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ケース7:裁判所からみれば、企業間紛争も「犬も食わない、しょうもない夫婦げんか」と同じ?! 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

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顧問弁護士 畑中鉄丸の助言

裁判所からみた民事紛争の正体

 一般的な民事の問題の本質が一体何かと問われれば、端的かつ直截に言って、「真実や真理や正義を追求する」という類のものではなく、「私利私欲丸出しの当事者」の間における「エゴの調整」というものです。

 新聞で報道される大企業間の裁判であろうが、今回のような中小零細企業の契約をめぐる紛争であろうが、夫婦げんかや、仲の悪いご近所の間の塀の位置決めであろうが、正妻と愛人の間の故人の骨や墓の取り合いであろうが、本質は同じです。当事者の思いはさておき、裁判所からみると「犬も食わない、猫も跨ぐ、くだらない意地の張り合い」と映っているのです。

 もちろん、当事者にとってみれば、「それぞれが認識している真実があり、それぞれに言い分があり、それぞれが固く信じる『民事上の法的正義の実現』なるものを求めて、裁判所という公的機関の判断ないしお墨付きを求め」ていると思われます。

 しかし、報道に値する、公益性の高い一部の行政事件(例えば投票価値の平等の問題や基本的人権が危険にさらされているような事件)や冤罪事件等を除けば、通常の裁判紛争については、(少なくとも裁判所の目線からは)「ほとんどの事件には絶対的な正義などというものは全く存在せず、くだらない意地の張り合い、エゴのぶつかり合いでしかない」とみられています。

 裁判沙汰を考えられる企業も個人も、まずは、こういう「身も蓋もない過酷な現実」をきちんと認識しておく必要があります。

 これは裁判制度の仕組み自体に大きく関連がありますので、その説明をまずいたします。

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