経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

ケース6:トップの公私混同取引が発覚した! 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

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顧問弁護士 畑中鉄丸の助言

未上場企業はやりたい放題!

 未上場のオーナー系企業、典型的なのは、創業者が100%の株式を所有している企業においては、基本的に、きちんと利益を出している限り、オーナー社長はやりたい放題です。

 事件を起こしたり、税務面で問題が生じたりすれば格別、100%オーナー保有の非上場企業が取引に関して公私混同をしようが何をしようが、基本的に問題とされることはありません。会社の資金繰りが厳しくなれば代表者個人の財産から会社の決済に必要なお金を融通してもらいますし、自宅賃料の支払いや、税金の支払いなど、個人的な使途に充てるために、代表者個人が会社のお金を借りることもフツーに行われています。

 無論、銀行から事業資金を借りていると、銀行が債権者として、やりたい放題を注意する場合もありますが、きちんと儲けて返済さえしていれば、銀行もとやかく口を出すことはできません。

上場したら無視できない「利益相反取引規制」

 ところが、株主に法の通じた連中が参入したり、あるいは会社が株式を公開(証券取引所に株券上場)したりするようになると、利益相反取引の規制が浮上することがあります。では、そもそも利益相反取引とはどういったものでしょうか。

 会社法においては、取締役は株主に対して「善良なる管理者(医師の患者に対する関係や、弁護士のクライアントに対する関係と同様、"自分の利益を犠牲にしても尽くす立場"を表す法律用語)」として忠実に振る舞うことを求められます。他方で、取締役は、会社の権利や財産を預かっており、その気になれば取引権限を用いていくらでも悪いことができます。

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