パクリ商標

大量出願OK 商標ルールの盲点 知財コミュニケーション研究所代表、弁理士 新井 信昭氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

「PREMIUMFRIDAY」商標出願、経産省と同日に

 もう一つは、そこに先願商標があると、それと同一・類似の後願商標は前が詰まっている間は登録されないという「お待たせ」状態になってしまいます。待っていられない人は、別の商標に変えなければなりません。大迷惑ですね。

 そこで、先のアナウンスには、特許庁が運営方法を変更することも書かれています。どういうことかというと、他にも理由があれば別ですが、却下処分が間近の先願があって、それだけが障害となっている後願の出願人に、「〇〇という先願があるけど、これがなくなったら登録します」というような条件付きの通知(拒絶理由通知)を出すことにしました。

 特許庁が重い腰を上げてくれたおかげで、お待たせ状態がグッと改善されることでしょう。しかし、この「〇〇という先願」について却下処分前にお金が支払われたら、後願は登録できなくなるという事実は変わりません。これは仕方のないことです。

特許庁の上部組織である経産省まで商標出願で抜け駆けを許してしまった(プレミアムフライデーで飲食する人たち)

特許庁の上部組織である経産省まで商標出願で抜け駆けを許してしまった(プレミアムフライデーで飲食する人たち)

 ところで、読者の皆さまは、毎月の最終金曜日は、どのように過ごされていますか? いつもより早く帰ってステキな金曜日を過ごしてもらおうと、2017年2月24日から「プレミアムフライデー」のプロジェクトがスタートしました。しかし、理由はさまざまですが、半年後の同年9月には日本商工会議所などから見直しの要求があるなど、どうも評判がよろしくないようです。

 この「プレミアムフライデー」の名称ですが、2017年2月ごろに調べてみたら、経済産業省とB社が『PREMIUMFRIDAY』という商標を、同じ日に出願していることがわかりました。ネット上のニュースなどでご覧になった方も少なくないと思います。

 その後どうなったかと調べてみたら、B社の出願(商願2016 ― 88273)は却下処分され、経済産業省の出願だけが登録されていることがわかりました(登録第5942825号、2017年4月28日)。却下処分された理由は、B社がお金を支払わずに時間切れとなったためと思います。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。