健康診断という「病」

γーGTP、健診前のにわか禁酒は改善なし? 亀田高志 氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 またこれらの検査項目の名前はご存じでも、それが何をあらわしているのかを知っている人は少ないものです。肝臓はみぞおちの右奥にある臓器ですが、この肝臓の細胞の中でGOT、GPT、γ-GTPは、酵素といって化学反応を通じてエネルギーを生み出す働きを担っています。そして炎症などによって肝臓の細胞が破壊されると、その内容物であるGOTやGPTが血液中にもれ出てきます。この数値が高いと肝臓の細胞が壊れつつある、ということが分かるのです。

 γ-GTPは肝細胞の中にある「小胞体」といわれる器官でつくられますが、アルコールによる肝臓の障害に鋭敏に反応します。例えば、禁酒中にくじけて「一口くらい構わないだろう」と思って飲んでしまうと、一時的な反応を起こして、数値がむしろ悪くなることもあるのです。

 私はこれまで「職場で受ける健康診断が楽しみで毎年心待ちにしています!」と言う方にはほとんどお目にかかったことがありません。

 日ごろは考えないようにしている肥満を指摘され、「生活習慣がなっていない」と保健師さんに叱られるのはかなわない。高血圧や高血糖、コレステロール値の異常から産業医に病院に行くように言われるのは嫌だ、と感じている人は少なくないのではないでしょうか。

 家に持ち帰った健診の結果を家族に見られて、大好きなビールが冷蔵庫から消えてしまったら大変ですね。ですから、悪いことをしているわけでもないのに、まるで神頼みのように結果が「シロ」であるようにと祈ったりします。

 しかし、実はこれこそが「残念な健康診断」の実態なのです。

※日経BizGateの記事を無料で定期的にお届けする会員登録をおすすめします。メルマガ、印刷ページ表示、記事クリッピングなどが利用できます。登録はこちらから

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。