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サテライトオフィスは働き方を変えるか?(前編) 「なぜここで働くか」明確な意志が生産性高める JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

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――具体的にどう生産性がアップしたのですか? その理由はオフィス環境ですか?

 生産性アップとは、いろいろな尺度がありますが、内勤営業であるインサイドセールスのKPI(主要パフォーマンス指標)としては一定期間内の商談案件発掘件数というのがあります。それが東京のオフィスにいた時と白浜オフィスに来てからどう違うかという測定をし、20%高いという結果が出ています。

 生産性を向上させている理由としては、社員が快適に、働きやすい環境を物理的に提供していることがあります。また、Salesforce自体の仕事の目的でもありますが、AIも含めいろんなツールを管理のためだけではなく、業務の効率化に活用します。環境とツールの両方を用いて、現場の負荷を減らして、セールス担当がお客様と会話をできる時間に充てるなど、業務に没頭して働くことができる環境を作り出せているのだと考えています。

 環境だけではなく、社員一人ひとりの意識変化が重要です。この業務の次にもやりたいことがあるから、その時間を大切に充実させたものにして業務を時間内にきっちり完了させようというモチベーションの変化が見て取れます。ここに生産性を押し上げ、働き方をも変える力があると考えています。

サテライトオフィスがもたらす業績、成果

――白浜オフィスの役割は生産性を向上させて会社の業績向上に貢献するということですか?

 業績を向上させるためというよりも、実際に東京で行うのと同じ業務をしながらより生産性の高い働き方ができる力を自分自身につけてもらう場所になればと考えています。その意味では、3カ月の勤務期間に働き方を変える研修の意味も含まれています。

――社員の成果に対する意識も変化するのでしょうか?

 成果の考え方では、カスタマーサクセスという言葉がSalesforceの全社員の成功の尺度を表しています。商品やサービスを導入したお客様の"稼ぐ力"が高まることが一番重要な指標であるということです。この考え方は白浜オフィスでも変わりません。ただし、そのアプローチが変化します。

 この白浜オフィスに来ると、社員はまず改めて自身の顧客設定を行うことから始めます。カスタマーサクセスの成果を向上するためには、まず限られた勤務時間の中で、自社の商品をより多くのお客様に知っていただき、使ってみていただく必要があるということをあらためて理解します。そのためのセールス活動の量や質を上げるために、この白浜オフィスの環境を最大限に活用しようと考えるようになります。

――それで商談発掘件数が重要な生産性指標になっているのですね。

 そうです。ノルマというより自分で向上させたい指標として、社員が自発的に喜々として取り組みます。第1にお客様に話を聞いていただける存在にならないと始まらないということを認識します。そのためにもここで新しい働き方を経験し、人間力を上げていく。その結果、個々の社員が東京オフィスに戻っても持続できるSalesforce流の"稼ぐ力"を身に着けるのだと思います。

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