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第3のオフィス「コワーキングスペース」がもたらす生産性革命 JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

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 世界で話題のコワーキング(Co-Working)スペースは、最新のIT環境が配備された、カフェやリゾートホテルのロビーのような空間です。必要な時に、自分にとって最も便利な場所を選んで仕事ができ、様々な企業やフリーランスの働き手が利用するメンバーシップスタイルのオフィスになっています。

 通常通うメインオフィス、企業が自社で設けるサテライトオフィスに続いて、第3のオフィスと言えるこの柔軟なスペースは、日本の社会問題である「働き方改革」や「生産性革命」にも実際の解決手段の1つとして、今後大いに役立つと考えられます。今回はグローバルなトレンドを参考に、企業経営において注目すべき、今求められている新たなオフィスのあり方を探ります。

コワーキングスペースとは?

 コワーキングスペースとは、利用者が賃料ではなくメンバーシップ料金を払い、執務、会議、打ち合わせなどを他者と同じ空間を共有しながら、それぞれが独立した仕事を行うオフィスです。通常のオフィス環境と違い、同じ会社ではない人々の中で働くのです。シェアリングエコノミーのオフィス版であり、テレワークで在宅勤務を行う企業社員やフリーランス、起業家、営業や出張で外出が多い人など、独立した環境で働くことになる人が活用することが多い便利なスペースとして近年発達してきました。

 以前から個室型のレンタルオフィスの代表格としてグローバルに展開しているRegus(リージャス)が、「個室のオフィスは必要ないが、ワークスペースは確保したい」というニーズに対して、空港隣接やキーステーションとなるロケーションに、専用の個室スペースではなく、共有型のオープンスペースを設置し、利用者はデスク単位で契約するというサービスを5年程前から開始した頃から世間に認識され始めたと考えられます。同社は他社に先駆け、日本でも以前からこのコワーキングスペースを展開しています。

 ニューヨーク発のWeWork(ウィーワーク)が、カフェのようなオープンで快適な空間や、データを駆使して人の働き方に配慮する効率的なコワーキングスペースの運営で人気を集めています。ニューヨークオフィス市場で最も大きく床面積を契約するテナントとしても話題になりました。

 現在では、米国のみならず、世界約60の都市に約300か所のコワーキングスペースを急拡大させ、コワーキングスペーストレンドの代名詞的な存在になっています。日本にもすでに進出し、今年2月六本木アークヒルズサウスタワーに稼働を始めた第1号拠点を皮切りに、丸の内北口、銀座、日比谷、新橋と続々とオープンする予定になっています。

 「月曜日が来るのが待ち遠しく感じる」ような、仕事を豊かな暮らしに変えることができる最適な場所を提供するとの同社の考え方に、多くの利用者が感化されています。企業ユーザーとして、マイクロソフト、セールスフォース・ドットコム、HSBC、デル、デロイト等ITから金融、サービスに至るまで多様な法人会員を獲得しています。

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