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空前の積立投資ブームに乗り、持たざるリスク回避 経済アナリスト 田嶋智太郎氏

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 去る1月4日、東京証券取引所で催された「大発会」の式典に、新年の挨拶のため姿を現した来賓の1人は、他でもなく麻生太郎副総裁・財務・金融担当相である。麻生氏は「国民の安定的な資産形成を促進することが一番大事」とし、この1月から新たに『つみたてNISA』が開始されることに寄せて「投資初心者による利用も念頭に置き、とくに少額からの長期・積立・分散投資を強く後押しして行く」と述べた。

 さらに、金融機関に対しては「良質な金融商品やサービスの提供、顧客に対するわかりやすい説明など、顧客本位の業務運営の確立・定着に向けた取り組みを促して参りたい」「こうした取り組みを通じて国民の安定的な資産形成が定着。貯蓄から(リスク)資産への流れが拡がることを心から期待している」とも述べていた。

 思えば、昨年は我が国の確定拠出年金制度が「iDeCo(イデコ)」と名称を改め、かつて対象外であった公務員や主婦の方なども利用できる有効な私的年金づくり(≒安定的な資産形成)の一手法として生まれ変わった。さらに、今年1月からは積立方式の少額投資非課税制度(つみたてNISA)が個人マネーの新たな受け皿になるとあって、以前から「長期・積立・分散投資」の手法に強い関心を抱く向きは確実に増えてきていた。

 実際、2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度(一般NISA)」において各月末に積立買付契約を結んでいる投資家の累計積立投資額(積立相買付額)は、昨年11月末時点で4168億円(主要証券会社10社)に達する勢いとなっている。また昨年のビジネス書の年間ベストセラー第1位(日販調べ)は『はじめての人のための3000円投資生活』(横山光昭著/アスコム刊)であったという。

 まさに「空前の"積立投資ブーム"到来」と言える状況になってきつつあるわけだが、それを後押しするのは単に政府の意気込みや税制上の優遇措置だけではなく、やはり相場の先行きに対する明るい見通しということになろう。そして、仮にその見通しどおりの好調な展開となった場合、何もせずにただ指をくわえて相場の行方を見つめていた向きは自ずと"持たざるリスク"を負うことにもなる。

 ならば、かかるリスクを回避すべく足下の"積立投資ブーム"に乗るのも一法と思われるのだが、そもそも本当に相場の先行きは明るいと言えるのだろうか。また、具体的にはどのような積立商品を選べばよいのか、まずはいったん立ち止まって考えておく必要がありそうだ。

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