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日米株価、急落も基本強気トレンドに変化なし 経済アナリスト 田嶋智太郎氏

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 ニューヨーク現地時間2月2日に米雇用統計の1月の結果が発表されて以来、本記事執筆時点まで日米株価の乱高下が続いている。5日にはNYダウ工業株30種平均(NYダウ平均)が前日終値比で1175ドルも下げ、翌6日の東京証券取引所には寄り付き前からテレビ各局の報道クルーが、予想されるセンセーショナルな展開をカメラで切り取ろうと詰めかけていた模様だ。実際、同日の日経平均株価は一時的にも前日比で1603円安の水準まで下げるという少々背筋がヒヤッとする場面もあった。

 大手マスメディアのなかには、こうした状況をかなり悲観的に伝えるところもあったが、市場関係者からは「本格的な下げ相場に入ったと見ている向きは皆無に等しい」「あくまで調整の範囲との見方に変わりはない」などと比較的冷静な意見が数多く聞かれたことも事実である。

 無論、筆者も今回の株価急落についてはかなり楽観的に捉えており、調整一巡後にあらためて日本株全体が一段と上値余地を広げて行くとの見方を変える必要はないと考える。なにしろ、今回のきっかけは米国における1月の「平均時給」が前年同月比で+2.9%という高い伸びを示したことにあったのである。これは、長い間待ち続けていた米賃上げの兆候という1つのグッドニュース。今後はこれが米個人消費市場の活性化につながり、米国経済の成長はいよいよ本格的に加速して行くだろう。そうした点も考慮しつつ、このたびの日米株価急落について筆者の所見を述べ、あらためて今後の行方を展望しておきたい。

今月の要点

金利上昇の初期反応としての株安は致し方なし

 まず、1つ間違いなく言えるのは昨年来、ことに昨年9月半ば以来のNYダウ平均の上昇ピッチがあまりにも早過ぎた、あまりに相場が沸騰し過ぎていたということである。

 試しに、あらためてNYダウ平均の週足チャートに、26週移動平均線(26週線)や52週移動平均線(52週線)などを描画してみるといい。昨年9月半ばあたりから両線に対する上方へのかい離がみるみる広がって、今年1月下旬にNYダウ平均が2万6000ドルをいったん超えた場面では、26週線からのかい離率が最大で13%超、52週線からのかい離率が最大で20%近くと、過去にあまり例を見ない驚異的な高水準になっていたことがわかる。

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