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熱かった「トランプ相場」は終息か、第2幕が開くか 経済アナリスト 田嶋智太郎氏

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 米金利が上昇すれば、必然的に為替市場でドル高傾向が強まる。「レパトリ減税(※)」によって米企業の海外滞留資金が米国内に還流するようになれば、それもドル高要因となる。まして、トランプ氏は基本的に保護貿易主義的な連邦国家運営を志向しているわけであるから、米国民が求める物価の低位安定を図りたければ、ある程度のドル高を受け入れることの方が望ましいと思われる。

(※)企業が海外に投資した資金や海外で得た利益を本国に還流させる「レパトリエーション」に対する減税措置

 ところが、もともとトランプ氏が志向しているのは「米金利とドルの低位安定」である。これを優先させれば、上記のように積極的な財政出動や保護貿易主義的な政策運営との間で矛盾を生じることになる。

 よって、最終的にトランプ政権がどれか1つを捨てるとすれば、それは「米金利とドルの低位安定」になる可能性が最も高い。問題は、一貫して掲げてきた政策方針や政治的志向の一部を大統領が就任直後に取り下げるというのはなかなか難しいだろう、ということだ。よって、当面は新政権が目の前にあるトリレンマとどう向き合い、どのように解決の道筋をたどろうとするのか、市場がしばらく様子見をする場面もありそうだ。

「ドル建て日経平均株価=170ドル台乗せ」で一段と活気づく?

 なお、今後の金融相場の行方を想定するうえでは、各国の政治や経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)に注目すると同時に、テクニカル分析の立場からアプローチを試みることも非常に重要である。

 まずは肝心な対円でのドル相場だが、以前から本欄でも注目している「月足」の終値が31カ月移動平均線(31カ月線)よりも上方に位置し続けるかどうかを確認しておきたい。下図に見るとおり、原稿執筆時において31カ月線が114円31銭の水準にあり、1月末時点の終値がこれを上回る水準を維持するかどうか少々微妙な状態にはあるが、結果的に31カ月線よりも上方の水準で月末を迎えれば、なおも「ドル強気の展開は続く」との感触が強まることとなる。

ドル/円相場の推移(月足、2011年7月~)

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