泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

自動運転で注目!半導体企業エヌビディアの実像 GFリサーチ 泉田良輔

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 このグラフには描かれていないが、インテルの売上高はその後どうなったのかはご存じだろう。1994年度に115億ドルであった同社の売上高は2017年度に628億ドルへ拡大した。実に5.5倍近くになったのだ。

 それに対して2017年度のエヌビディアの売上高は97億ドル。現在のインテルの売上高の規模にまで成長するかどうかは今後の展開次第であるが、自動車や都市インフラという巨大市場へ参入しょうとしていることを考えると期待は膨らむ。

エヌビディアの隠れたライバルとは?

 では、エヌビディアに敵はいないのか。ゲーム用途において圧倒的な強みを持つ同社であるが次の飛躍をもたらす事業は、データセンター、自動運転車、都市インフラだろう。

 察しの良い読者はすでにお気づきだと思うが、これらの事業領域は米グーグル(親会社のアルファベットによりグループ展開)と重なる部分が大きい。グーグルはデータセンターで大量のコンピューターを稼働させるクラウドサービスを外販しているし、自動運転車においては、ウェイモという別会社にしてはいるものの、グループとして事業を展開している。また、グーグルが、親会社アルファベット傘下の企業を通じてトロントのウォーターフロントで再開発を行うことになったことも報じられている。

 もちろんグーグルはインターネット広告企業であって、エヌビディアのような半導体メーカーではないという指摘はあろう。ただし、エヌビディアが今後競争していくのは巨人インテルのような半導体メーカーだけではなく、異業種であるグーグルのような超巨人が含まれていることは理解しておくべきだろう。

 エヌビディアがどうすればライバルに打ち勝ち、自動運転車で成功を収めることができるのかはわからないが、カギの1つはエヌビディアの大きすぎない規模感にあるように思う。グーグルやインテルのような世界的な巨大企業は、自動車メーカーが協業相手として警戒するかもしれないが、エヌビディアなら大きくなったとはいえ、まだ組める規模の相手だと感じるという意味だ。

 実際に、前述のように、多くの自動車メーカーがエヌビディアを自動運転車開発のパートナーとして選んでいる。こうしたパートナー戦略を拡大していくことで、デファクトとなる自動運転プラットフォームや都市インフラに対して同社の製品やサービスを提供できれば、エヌビディアの成長性はさらに高まるだろう。

参考情報)

[1] 『「スイッチ」Wii超え視野』(日本経済新聞 電子版)

[2] 『NVIDIA_Investor_Day_2017』資料

[3] 『トヨタのサービス連携の意味 IoTが促すコトづくり』(日本経済新聞 電子版)

泉田良輔 (いずみだ りょうすけ)
 GFリサーチ代表。個人投資家のための金融経済メディアLongine(ロンジン)編集長、および株1(カブワン)投信1(トウシンワン)の監修も務める。それ以前はフィデリティ投信・調査部にて日本のテクノロジーセクターの証券アナリスト、日本生命・国際投資部では外国株式運用のファンドマネージャーとして従事。慶応義塾大学大学院卒。著書に『銀行はこれからどうなるのか』『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』。東京工業大学大学院非常勤講師。

キーワード:経営、企画、技術、製造、経営層、営業、管理職、プレーヤー、経営、イノベーション、国際情勢

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