泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

再考、東芝が不正会計に手を出した理由 GFリサーチ 泉田良輔氏

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 では、投資についてはどうであろうか。投資キャッシュフローのうち、有形固定資産の購入、無形固定資産の購入、その他(企業の買収及び売却などが含まれる)を合計したものを各社長時代で累計したのが下のグラフである。ここでは「コア投資キャッシュフロー」と呼ぶことにする。ちなみに、マイナスは投資による外部へのキャッシュの流出、プラスは内部へのキャッシュの流入を表す。

<FONTBOLD />各社長時代における任期累計のコア投資キャッシュフロー</FONTBOLD> 出所:会社資料をもとにGFリサーチ作成</p><p>

各社長時代における任期累計のコア投資キャッシュフロー 出所:会社資料をもとにGFリサーチ作成

 このグラフからは、西田社長時代に大きな投資をしたことがわかる。主に米原子力大手ウェスチングハウスの買収や半導体生産設備への投資である。室町社長時代にコア投資キャッシュフローがプラスに転じているのは、主に東芝メディカルシステムズ(以下、東芝メディカル)を売却したことによる。

 先ほど見た累計の営業キャッシュフローでは、各社長について5年換算した後の水準は大きく変わらなかったが、コア投資キャッシュフローを見る限りでは、西田社長時代の投資が突出している。この金額だけを見れば投資に関しては大きな意思決定を行った時代だといえる。ただし、西田社長時代の投資の成果が同社長の任期中に出たかといえば判断は難しい。先に見たように、任期で調整した後の累計営業キャッシュフローの水準が他の社長と変わらないからだ。

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