泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

株価が示すソニーの復活は本物か? GFリサーチ 泉田良輔氏

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 2000年代前半以降、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)や東南アジア諸国連合(ASEAN)のような新興国の急成長に注目し、先進国よりも新興国での事業展開を積極的に進めようという動きが、どの企業にもあったが、やはり米国という巨大市場を満足に攻略できなかった影響は大きかった。結果論といわれてしまえばそれまでであるが、改めて攻略方法を検討する価値は大きい。繰り返しになるが、全世界で共通して売れる、いわゆる「グローバル戦略製品」よりも「米国で売れる製品」という発想が重要だと考える。

 もちろん、そう簡単に米国における戦略転換が容易かといえばそうではない。トランプ大統領就任によりむしろ以前よりも難しくなってきているかもしれない。米国市場攻略方法の見直しは、ソニーのような電機産業だけではなく、日本の幅広い輸出産業が抱えている課題である。特に、自動車産業は、トランプ大統領による保護主義的な貿易政策、および自動運転技術の進化などの影響を大きく受ける。日本の完成車メーカーには米国で収益の大きな割合を稼いできたところも多い。日本の完成車メーカーも米国での戦略を間違えれば、ソニーが経験した失われた20年のようになり、失った市場を取り返すのは容易ではなくなる。

泉田良輔 (いずみだ りょうすけ)
 GFリサーチ代表。個人投資家のための金融経済メディアLongine(ロンジン)編集長、および株1(カブワン)投信1(トウシンワン)の監修も務める。それ以前はフィデリティ投信・調査部にて日本のテクノロジーセクターの証券アナリスト、日本生命・国際投資部では外国株式運用のファンドマネージャーとして従事。慶応義塾大学大学院卒。著書に『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』。東京工業大学大学院非常勤講師。

キーワード:経営、企画、技術、製造、経営層、営業、管理職、プレーヤー、経営、イノベーション、国際情勢

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