では、サーバー向け半導体の現在の勝者は誰か。それはもちろんインテルである。下図は、インテルの事業グループ別オペレーティング・インカム(営業利益の概念に近い)の推移を示している。収益の大部分はPC向けCPUによるものだが、2番目に大きい収益はデータセンター(サーバー)向けCPUからのものだ。
当面、PC向けCPUがインテルの収益の柱であることに変わりはないだろう。しかし、スマートフォンやタブレットが普及した影響で、世界のPC出荷台数は減少傾向にある。インテルとしてはモバイル端末向けプロセッサーで収益を上げていきたいところだが、思い通りにはいかなかった。モバイル端末向けプロセッサーを含むモバイル&コミュニケーショングループの収益は継続的に赤字となっている。
これらの状況が今後大きく改善しないという前提に立つのであれば、インテルはデータセンター向け事業を全社の収益のけん引役として確立しなければならない状況に追い込まれている。この意味において、データセンター向け事業はインテルの今後の成長を左右する生命線ともいえるが、そこをARMに侵食されるとインテルのダメージは大きいだろう。
インテルの利益水準は10年前と変わらず
インテルとARMの攻防において、どちらが優勢なのだろうか。最近の株価や業績を比べると、「停滞するインテル」vs.「急進するARM」という構図が見えてくる。