泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

巨人GEが覚醒? インフラビジネスの競争環境に影響 GFリサーチ 泉田良輔氏

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 こうしてみると、巨額の資金を伴うインフラ事業を取り扱うためには、大規模事業を一括で受注するのではなく、いかに手離れよく「ハードウエア売り+ファイナンス」に徹するかがポイントになるだろう。このことは、海外で大規模プロジェクトを一括受注することに躍起になっている日本企業には、リスク管理面で良いヒントになるのではないか。特に日本企業が海外でプロジェクトを遂行するにあたっては、人材確保、資材調達やその費用、場合によっては天災やテロなどもリスクとして認識せざるを得ない。保険でカバーしたり、クライアントとの契約の中で過度のリスクを避けたりすることもある程度は可能だが、そもそも大きなリスクを伴わずに収益性の高いビジネスができるなら、そのほうが有利である。

 とはいえ、なぜGEが「ハードウエア売り」に徹することができて、日本企業が大規模プロジェクトの一括受注に躍起になるかといえば、それはGEが「市場シェアの大きいハードウエア」を持っているからである。裏を返せば、日本企業が強いハードウエアを持っていないがために、大きなリスクを覚悟して大規模プロジェクトを一括受注せざるを得ない、というのが実情といえよう。日本企業が海外でインフラ事業のリスクを抑えながら高い収益を上げようとするのであれば、まずは自社の努力で市場シェアを高めるか、市場シェアの高い企業を買収していかなければならないことを意味している。

GEらしく強い産業事業は買収で拡大、弱い事業は売却

 2014年にGEが事業ポートフォリオを大きく見直したのは金融事業だけではない。2014年5月には、重工大手の仏アルストムのエネルギー事業(発電・グリッド事業)に関してGEが買収の合意を得たと発表している(ただし欧州委員会が競争法上の詳細調査を実施中)。また、自社の家電事業をスウェーデンのエレクトロラックスに33億ドル(1ドル=120円換算で3960億円)で売却することを発表している。

 GEの事業ポートフォリオの見直しはどのような方向に向かうのか。ここでは、GEの事業ポートフォリオを見ていきたい。

<FONTBOLD />2014年度のGEのセグメント別売上高構成比</FONTBOLD> 出所:会社資料をもとにGFリサーチ作成

2014年度のGEのセグメント別売上高構成比 出所:会社資料をもとにGFリサーチ作成

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