泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

巨人GEが覚醒? インフラビジネスの競争環境に影響 GFリサーチ 泉田良輔氏

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産業事業は順調だが、不振の金融事業の一部を整理

 GEの業績がリーマンショック後に低迷したままなのは、同社のセグメント利益の内訳を見れば一目瞭然だろう。下図は、GEの利益を産業セグメントと金融セグメント(GEキャピタル)に分けて集計したものである(※)。リーマンショック以降、GEの主力事業の1つであった金融事業(GEキャピタル)の業績回復が大きく遅れていて、その2014年度の利益は2007年度の6割程度にとどまっている。これがGE全体の利益回復の足を引っぱっている。

(※)GEが公表したセグメント利益をもとに集計。ここでは家電・照明事業と内部消去の影響を省いている。

<FONTBOLD />GEの金融セグメントと産業セグメントの利益推移(内部消去前、百万ドル)</FONTBOLD> 出所:会社資料をもとにGFリサーチ作成

GEの金融セグメントと産業セグメントの利益推移(内部消去前、百万ドル) 出所:会社資料をもとにGFリサーチ作成

 では、産業セグメントはどうであろうか。グラフに示す産業セグメントは、電力・水、石油・ガス、エネルギー管理、航空、ヘルスケア、交通の各事業セグメントを合計したものであり、現在GEが注力しているインフラ事業である。

 産業セグメントの利益は、2007年から2014年までの過去7年間、年平均成長率4.8%で推移している。一方、先ほど例に挙げた、インフラ事業で競合するユナイテッド・テクノロジーズの税引き前利益は、同期間に年平均成長率4.8%で推移し、GEの産業セグメントの利益成長率とほぼ同じ水準である。GEは、産業セグメントに限ってみれば業績で見劣りをしているわけではない。GEも金融事業(GEキャピタル)が十分に業績回復をしていれば、株式市場からもっと十分な評価を得ていただろうと悔やんでいるに違いない。

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