BCGが読む経営の論点2018

世界で少子化、米中印どれが成長持続? シニア・パートナー 森健太郎氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

南アジア・アフリカがフロンティア

 アジアの隣国を見てみると、韓国はちょうどソウルオリンピックの前年、1987年に人口ボーナス期に入り、ピークは2013年、今は終盤に差し掛かったところだ。中国は1997年から人口ボーナス期に入り、2011年をピークに後半戦に入った。2011年当時の中国の1人当たりGDPは約5600ドル(2017年USドルベース)。対して、日本が人口ボーナス期の中間点を迎えた1984年の1人当たりGDPは約1万900ドル(同)、人口ボーナスのピーク1992年は約3万1400ドル(同)だった。つまり、日本の経済発展と比べて、中国は「豊かになるよりも早く、老いが進行している」のである。一方、アジア諸国の中でも、インドネシアやフィリピン、インドなどは、まだまだ若く、人口ボーナスを享受するのはこれからだ。

世界に目を向けてみると、2001年にBRICsという言葉が生まれてから16 年が経った今、ロシア(2009年)と中国(2011年)はすでに人口ボーナス期のピークを過ぎ、2020年頃にはブラジルがピークを迎え、あとはインド(2040年前後)を残すのみである。

 ここまで読んで、勘のよい読者は、次のような問いを発しているだろう。「仮に世界を1つの国と見立てたら、世界は今どのステージにあるのか」。

 実は、世界の人口ボーナスはすでに2014年前後にピークを迎え、なだらかな後半戦に入っている。

 新興国の成長率が先進国の成長率を大きく上回っているという事象は、今となっては「当然の常識」のように思えるが、そのトレンドが鮮明になったのは2000年代に入ってからで、それまでは両者の成長率はそう大きく変わらなかった。新興国の高成長は当面は続くものと思われるが、果たして20年後もそうなのか。「当然の常識」をあえて疑ってみることも経営者にとっては時に必要である。

 仮に新興国ブームが後半戦に入りつつあるとした時、20年後、30年後を見据えた長期経営を考えると、3つの戦略的な考察が必要だろう。

 1つ目は、新興国ブーム後半戦の刈り取り。これまでは物理的な距離が近く、また、仏教・儒教などの文化的な側面も含めて比較的心理的な距離も近い、中国やタイなどがアジアにおける主戦場だった。

 これからはより遠方で、かつ、イスラム教・ヒンズー教などで文化的にも馴染みが薄いインドネシアやインドなどの国々に軸足が移っていく。そして、アジアの次に続く最後のフロンティアはアフリカである。馴染みのない分、尻込みしがちだが、どこの国に、どこまでの経営資源を投入していくのか、腹を決める必要がある。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。