BCGが読む経営の論点2018

世界で少子化、米中印どれが成長持続? シニア・パートナー 森健太郎氏

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 昨年から加速してきたメガバンクの合理化や地銀再編。背景の1つは日本の少子高齢化と人口減少のトレンドだ。影響を受けるのは金融や小売りなど内需型産業と思われがちだが、同様の人口構造変化は世界の各地でも進んでいる。海外動向も含め長期的な視野で対策を打つにはどうすればよいのか。シニア・パートナーの森健太郎氏が考察する。

国内出生数100万人割れ 「人口3分の2」に現実味

 2016年の年間出生数が初めて100万人の大台を割り込み、98万人に留まったというニュースは、記憶に新しいだろう。団塊ジュニア世代のピークの1973年の出生数が209万人、その親世代にあたる団塊世代のピークの1949年の出生数が249万人だから、今日の少子化ぶりが際立つ。

 さて、年間出生数100万人というのは、単純化すると、今後毎年100万人ずつ生まれて、全員が平均寿命の84歳まで生きたとして、8400万人の人口になるという計算である。実際に、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2053年には総人口が1億人を割り込み、2065年には8800万人になる見通しだ。

 国全体の人口が3分の2に縮小するのは未曽有の経験だが、ある特定の業界や製品の市場が成熟・衰退期を迎え、大幅な縮小に見舞われるというのは、特段、目新しいことではない。

 そこからの最大の学びは、ある市場の規模が半分になるとき、すべての企業が市場シェアを維持したまま均等に売上が半分になることは稀で、ほぼ必ず、寡占化を伴うということである。事業撤退や業界再編が起こり、ごく少数の企業のみが生き残る。つまり、人口が3分の2になる時、それは国全体や市場全体の観点では3分の2へのダウンサイジングだが、各企業にとっては生き残りをかけた戦いになるということである。