石澤卓志の「新・都市論」

2020年に日本のホテルはパンクする? みずほ証券 上級研究員 石澤 卓志氏

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 外国人観光客の増加などを背景に、主要都市のホテル需要が拡大している。今後は東京周辺を中心にオリンピック関連の需要が加わり、さらにホテル不足が深刻化すると予想される。開発計画も相次いで具体化しているが、現状では今後の需要増に対応できない可能性が高い。

主要都市のホテルは満室状態

 日本政府観光局(JNTO)が8月19日に公表した資料によれば、2015年1月~7月の訪日外国人は、前年同期比+46.9%の11,058,300人となった。特に7月は前年同月比+51.0%の1,918,400人となり、単月としては過去最多を記録した。

 訪日客を国・地域別に見ると、第1位の中国が1月~7月の累計で2,755,500人(前年同期比+113.8%)、7月単月で576,900人(前年同月比+105.1%)と、いずれのベースでも前年比2倍超の増加を示した。また、訪日客数第2位の韓国(同+41.7%、同+37.1%)、第3位の台湾(同+29.0%、同+29.5%)、第4位の香港(同+66.0%、同+74.0%)、第5位のタイ(同+27.3%、同+21.0%)なども、大幅な増加となった(図表1)。

図表1 訪日外国人数の変動率の推移

注:2015年は1月~7月の前年同期比 出所:日本政府観光局(JNTO)

注:2015年は1月~7月の前年同期比

出所:日本政府観光局(JNTO)

 政府は「東京オリンピックが開催される2020年までに、訪日客2,000万人」の目標を立てている。観光局は、2015年通年の訪日客は1,800万人超になると予想しているが、2015年中に2,000万人の目標を達成する可能性も出てきた。8月以降、中国経済の減速を示す指標が増えているが、現在のところ、外国人観光客の動きに変化は見られない。

 このようなインバウンド需要の他、景気回復への期待を背景に、日本人による国内旅行の需要も拡大しており、多くの都市でホテル不足が顕在化している。

 国土交通省観光庁の「宿泊旅行統計調査」によれば、全国のシティホテルの客室稼働率は、2009年~12年はおおむね70%前後で推移していたが、2013年上半期に70%台後半に上昇し、2015年春以降は80%超となった。また、全国のビジネスホテルの客室稼働率も、2013年上半期までは60%台が続いていたが、同年下半期には70%前後、さらに2014年下半期以降は概ね75%前後と、上昇傾向が続いている。

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