石澤卓志の「新・都市論」

外資の「爆買い」が日本の不動産市場を救う!? みずほ証券 上級研究員 石澤 卓志氏

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 外資系ファンド等による日本の不動産市場への評価は、以前は「投資利回りは低いものの、安定した収益が期待できる」という内容だった。日本不動産鑑定士協会連合会の「世界地価等調査結果」を基に、主要都市のビジネス街(高度商業地域)の投資利回りを見ると、2003年時点では、東京が5.5%であるのに対して、ロンドンは6.5%、ニューヨークは7.5%、サンフランシスコは9.0%だった。

 ロンドンやニョーヨークには、不動産価格が東京よりも高額なエリアが存在するが、2003年時点の投資利回りは東京を上回っていた。一方、東京は表面的な投資利回りは低いものの、(この時点では他国に比して)金利水準が低いため、国内で資金を調達した場合には、一定の利ザヤを確保できた。

投資先として日本の優位性が高まる

 ところが、過去数年間に金融緩和が進んだこともあり、欧米主要国やアジアの新興国では不動産価格が高騰し、投資利回りが大幅に低下した。ロンドンの高度商業地域の投資利回りは、2013年時点で3.5%に低下し、東京の4.6%を下回る状況となった。ニューヨークも、2013年時点の高度商業地域の投資利回りは5.0%に低下し、東京との利回り格差は0.4ポイントに縮小した(図表2)。

図表2 主要都市における不動産投資利回りの推移

注:高度商業地域(中心ビジネス地区)のキャップレート 出所:公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会「世界地価等調査結果」

注:高度商業地域(中心ビジネス地区)のキャップレート

出所:公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会「世界地価等調査結果」

 このような状況の中で、日本では、2015年1月1日時点の公示地価において、全国の商業地が7年ぶりに下落から脱却するなど、地価の底打ちが明確になってきた。この結果、日本の不動産市場は、「安定したインカムリターン(賃料収入等)」とともに「キャピタルゲイン(値上がり益)の拡大」も期待できる有望な投資対象になったと言える。

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