石澤卓志の「新・都市論」

東京の地価上昇はバブルの危険水域へ みずほ証券 上級研究員 石澤 卓志氏

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 大阪「阪急百貨店」前の路線価は「県別最高路線価」としては全国第2位であるが、その地価水準は東京「鳩居堂」前の30%程度にすぎない。東京の地価は、日本全国の中でも突出した水準と言える。東京23区内には、「鳩居堂」前以外にも、大阪「阪急百貨店」前を超える地価水準の地点が多数存在する。

東京圏の地価は全国でも突出

 東京国税局管内(東京都、千葉県、神奈川県、山梨県)の84税務署別の最高路線価(本稿では、便宜的に「東京圏内最高路線価」と記載する)のうち、「鳩居堂」前に次ぐ地価水準の第2位は、千代田区丸の内2丁目「丸ビル」前に位置する「大名小路」の20,990千円(前年比+6.6%)、地価水準第3位は新宿区新宿3丁目「タカノフルーツパーラー」前に位置する「新宿通り」の18,640千円(同+9.4%)、第4位は同じ新宿区新宿3丁目の「伊勢丹本館」前にある「新宿通り」の16,800千円(同+10.5%)だった(図表3)。

図表3 「東京圏」最高路線価の推移

注:最高路線価の所在地が変更されたため、データのない部分がある。出所:東京国税局

注:最高路線価の所在地が変更されたため、データのない部分がある。

出所:東京国税局

 「東京圏内最高路線価」としては地価水準第8位である港区北青山3丁目「ヒューリック青山ビル」前の「青山通り」が8,320千円(同+11.2%)で、大阪「阪急百貨店」前と同じ地価水準だった。「東京圏内最高路線価」の地価水準上位30位までの順位と顔触れは、前年調査と同じだった 。

 一般的に「東京圏」あるいは「首都圏」とは東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県を指すが、東京国税局の管轄地域は、東京、神奈川、千葉、山梨の1都3県である。埼玉県は、関東信越国税局の管轄区域となっている。

 2015年の「東京圏内最高路線価」では、前回調査と比較可能な83地点(前年調査では84地点)のうち、上昇が67地点(前年調査では66地点)、横這いが12地点(同11地点)、下落が4地点(同7地点)だった。上昇67地点のうち23地点が前年比+5%以上の上昇となり、このうち4地点が+10%以上を記録した。

 上昇率トップは「鳩居堂」前、上昇率第2位は「ヒューリック青山ビル」前、上昇率第3位は「伊勢丹本館」前で、地価水準の高い場所が軒並み、地価上昇率についても上位を占めた。上昇率5位までは東京23区の地点で占められ、ようやく第6位に「川崎駅東口広場通り」がランクインした。東京は「東京圏内最高路線価」においても、地価水準・上昇率の双方について突出している。

 一方、「東京圏内最高路線価」で下落した4地点は、千葉県3地点(銚子駅前通り、千葉駅側通り、香取市・国道356号線)と山梨県1地点(笛吹市・石和温泉停車場線)だった。前年調査で下落した地点のうち2地点(横須賀中央駅前通り、甲府駅前通り)は、今回調査では横ばいに転じた。「東京圏内最高路線価」の下落地点も、「県別最高路線価」と同様に、「不動産投資が盛んな場所が移動した」例が多いと言える。

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