石澤卓志の「新・都市論」

東京の地価上昇はバブルの危険水域へ みずほ証券 上級研究員 石澤 卓志氏

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 国税庁の公表資料では、路線価の場所について「通り」の名称しか記載していないが、新聞報道等では、調査地点を分かりやすく伝えるため、「鳩居堂前が路線価の全国トップ」と記載されることが多く、本稿でも同様の表記を用いている。実際は「鳩居堂」に隣接する「銀座三越」前と「銀座和光本店」前の路線価も同水準である。この3ヵ所が同額トップであることは、過去9年間にわたって変わりがない。

不動産投資の活発化が地価を押し上げた

 2015年路線価では、公示地価と同様に、地価水準の高い場所が、大幅な上昇を示した。この傾向は、不動産投資の活発化が地価を押し上げた地点が多いことを示している。

 「県別最高路線価」において、「鳩居堂」前に続く地価水準の全国第2位は、前年に引き続き、大阪市北区「阪急百貨店」前に位置する「御堂筋」の8,320千円(前年比+10.1%)で、上昇率も「県別最高路線価」としては第4位となった。(図表2)

図表2 「県別最高路線価」の上位の推移

注:最高路線価の所在地が変更されたため、データのない部分がある。出所:国税庁

注:最高路線価の所在地が変更されたため、データのない部分がある。

出所:国税庁

 この他、地価水準第3位(前年調査では第4位)である名古屋市中村区「JRセントラルタワーズ」前の「名駅通り」が上昇率第2位、地価水準第4位(同第3位)である横浜市西区「横浜高島屋」前の「横浜駅西口バスターミナル前通り」が上昇率第7位、地価水準第5位(前年も同順位)である福岡市中央区「ソラリアステージ」前の「渡辺通り」が上昇率第10位、地価水準第7位(前年も同順位)である京都市下京区「みずほ銀行四条支店」前の「四条通り」が上昇率第9位、地価水準第8位(前年も同順位)である「大宮駅西口駅前ロータリー」が上昇率第8位と、地価水準がトップクラスの都市が軒並み、上昇率についても上位を占めた。

 一方、「県別最高路線価」のうち、水戸駅北口ロータリー(前年比▲5.8%)、徳島駅前広場通り(同▲4.8%)、鳥取市・若桜街道通り(同▲4.2%)、宮崎市・橘通り(同▲4.2%)、秋田駅前通り(同▲3.7%)などは、前年調査に引き続いて大幅な下落となった。下落要因は各都市によって異なるが、郊外に大規模ショッピングセンターがオープンしたため、旧来の中心地が空洞化した例が比較的多い。すなわち、「不動産投資が盛んな場所が移動した」ことが地価下落の最も大きな要因と言える。

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