天下人たちのマネジメント術

「オリンピック恐慌」は本当に来るか 岸博幸・慶応大学大学院教授に聞く(上)

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国債暴落、失業率急上昇...「ギリシャ危機」再現の恐れも

 「安倍内閣では“働き方改革”、“生産性革命”など改革の方向性は正しく、キャッチーな言葉で訴えていますが、具体的な内容が不十分です。日本に投資しているヘッジファンドは東京五輪までは盛り上がるが、潜在成長率が上がっていくとはみていません。財政再建に関しても、人口減少している中で毎年30兆円もの国債を発行しているのは異常です。社会保障制度も団塊の世代が全員後期高齢者になる2025年以降は困難な状況が予想されます」

 --ギリシャでは04年の五輪開催が10年の経済危機の一因になったことが明らかになっています。16年のブラジルもインフラ投資と景気悪化が重なり、リオデジャネイロでは財政の悪化が治安悪化の拍車につながっています。日本でも経済改革を放置しておいた場合にどんな事態が予想されますか。

 「日本の国債が10年時のギリシャのように狙われて暴落してもおかしくない。現在でも国債の金利は上昇傾向ですからね。今は人口減少と好景気で失業率が2%台ですが、日本国債の暴落という悪夢が現実となったら、経済成長率が極度に低下して失業率も09年の5%台を超えることもあるかもしれません」

 --昭和40年不況では山一証券が史上初の日銀特融を受け、山陽特殊鋼が戦後最大の負債(当時)を抱えて倒産しました。今回もその可能性は否定しきれないわけですね。

 「世界的に第4次産業革命でデジタル化とクローバル化が進んでおり、今後は業種間、企業間で格差はさらに拡大していきます。特に東京五輪以降は銀行・証券・保険など金融界で経営が苦しくなって大規模な人数削減が現実化する恐れもあります。製造業では自動車産業でさえも、無人運転などデジタル化への対応が遅れれば安泰ではいられないでしょう」

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