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インバウンド需要は「引き算」で増やせ 袁静氏が読み解く「中国セレブ消費」(1)

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 今年の「春節」(旧正月)が16日からスタートした。この大型連休中に約650万人の中国人観光客が海外へ向かうとも予想されており、旅行先として日本への人気度はタイに続いて2位。昨年を超える訪日外国人(インバウンド)消費へ期待が膨らむが、その一方で年々好みを洗練させている中国人観光客に対する受け入れ態勢は万全だろうか。「日本人は知らない中国セレブ消費」(日本経済新聞出版社)の著者で、日本の観光情報を発信している袁静・行楽ジャパン社長に聞いた。

インバウンド需要の主役はプチ富裕層

 --昨年の訪日中国人客数は過去最大の約735万人で、全体の3割弱を占めます。しかし「爆買い」ブームは沈静化しており、中国人観光客の消費動向がつかみにくくなっています。

 「中国人の年間出国者数は1億2000万人を超えています。14億人全体の約8.7%です。特に個人旅行者は急増中で、15年には団体旅行者数を抜きました。18年の現在では個人約7割、団体約3割といったところでしょう」

 「中国でビサが下りるのは一定以上の収入が条件とされているようです。日本に比べ格差が大きく、収入も生活習慣も違っています。何度も海外へ行けるマルチビザを持っている個人旅行者は中国の富裕層、プチ富裕層に限られてきますね」

 --ひとくくりに「中国人」と決めつけるには枠が大きすぎるわけですね。インバウンド需要の増加にはどの層をターゲットにすれば良いですか。

 「特に注目したいのは人数が多く、日本への関心が強く、消費意欲が旺盛なプチ富裕層です。富裕層の中には欧米志向もありますから。現在は上海、北京、広州といった大都市に住んでいるプチ富裕層が何度も日本を訪れています。表層的ではなく、日本社会や文化までを知る深みのある旅行を望んでいるのもプチ富裕層です」

 --プチ富裕層の具体的なイメージを知りたいです。

 「世帯収入500万~2000万円で、『改革開放』以降の新しい消費スタイルになじんだ人々がプチ富裕層の代表でしょう。中国の大都市は物価が高いため、年収500万円以下では海外旅行は難しいです」

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