天下人たちのマネジメント術

人口減対策の切り札はシュタットベルケ 諸富徹・京大大学院教授に聞く

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日本のシュタットベルケ、100社規模に

 「高齢者の家庭にタブレットを配布しました。これでお知らせや天気、気温などを画面に表示する一方、外出や健康状態などの情報は見守りセンターに送る機能を備えています。日常とは異なる電気の使い方を検知すると高齢者本人にタブレットを通じて状況を知らせるように促します。あらかじめ登録してある近隣の住民にも通報します。食事の宅配や病院の予約も可能です」

 --自治体が企業を取り込むのは第3セクター方式がありましたが失敗した事例が多いです。

 「3セク方式失敗の原因は自治体と企業がなれ合って経営責任の所在があいまいなケースが多かったことと、経営のノウハウがストレートに伝わらなかった点にあります。シュタットベルケでは経済状況を先取りした新規取り組みが必要です。みやま市のケースもまだ黒字化は実現していません。今後は教育事業の展開も計画しているとのことです」

 --シュタットベルケに企業はどう関わっていこうとしていますか。

 「企業が持つ経営ノウハウは欠かせません。現段階では地元に密着したガス、CATV分野の資本参加のケースが多いです。しかしグローバル展開している企業にこそシュタットベルケに参加するメリットが出てくると思います」

 「少子高齢化は日本のみならず先進国共通の問題です。中国でも始まっています。企業間の人材獲得競争は今以上に激しくなり、企業が自ら育成していく必要も高まります。シュタットベルケを通じて根ざした地域では人材養成の場を提供するでしょう」

 --昨年秋に「日本シュタットベルケ・ネットワーク」が発足し理事に就任しましたね。

 「エネルギー販売や事業計画に基づく企業体の設立、運営などについて、自治体に助言するのが主な事業です。関心の高い分野なので講習会や勉強会などでシュタットベルケに関する最新情報を共有するとともに、ドイツとの交流を推進します。創設を検討している自治体も多く最終的には100程度にまで設立されると見込んでいます」

(聞き手は松本治人)

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