天下人たちのマネジメント術

人口減対策の切り札はシュタットベルケ 諸富徹・京大大学院教授に聞く

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 東京オリンピック開催の2020年を境に、日本の人口減少スピードが一段と加速することはあまり知られていない。国立社会保障・人口問題研究所の予測では20年までは年間25万~40万人、20~30年は同50万~70万人、30年代には同80万人が減り続けていくという。それに伴い日本の各都市は経済規模の縮小、地価の下落、税収減・財政悪化と向き合うことになる。しかし「人口減少時代の都市」(中公新書)の著者である諸富徹・京大大学院教授は、この危機を逆手に「住みよい街」実現のチャンスと説く。そのための第一歩が自治体間で関心を呼んでいる「シュタットベルケ」(都市公社)だ。人口減時代を生き延びるための企業戦略にもヒントを与えてくれそうだ。

悪いことばかりではない人口減少

 --日本は20年までに沖縄県を除く46都道府県で、沖縄県も25年には人口減少局面に入ります。これまで日本の都市は経済成長、人口増加、地価上昇という右肩上がりの3条件に支えられてきましたが、全てが反転する厳しい時代をいや応なしに迎えます。

 「人口減少は悪いことばかりではありません。現状をリフレッシュしてより豊かな生活空間を獲得できる機会でもあります。地価下落によって、長期的には中間層が安価に良質の住宅を購入できる機会が増えるでしょう。通勤時のラッシュが軽減されて個々のビジネスパーソンの生産性が高まるなど、都市の過密問題が解決の方向に向かっていくと思います」

 --当面の課題としては税収減に直面するため、都市サービスをどう維持するかがカギになってきます。大都市圏の減少スピードは緩やかですが市民の高齢化は避けられません。財源をどこに求めるのでしょうか。地方交付税や国庫支出金のこれ以上の増額は期待できません。

 「地域を豊かにするための資金は、自ら稼がなければなりません。しかし自らの都市規模に見合った都市計画を準備すれば悲観論は無用です。自治体が経営的な視点から投資し有効なリターンを得る意識を持つべきです。従来のように“あれもこれも“ではなく“あれかこれか”の選択ですね」

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