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第15回「小水力発電で地域を元気に ~見直される“懐かしくて新しい”地域密着型エネルギー~」

 電力の地産地消(地域生産地域消費)の実現に向けた再生可能エネルギーの活用方法として、小水力発電への関心が高まっている。地域の河川や農業用水といった暮らしに身近な水資源を利用する小水力発電は、地元住民との結びつきが強い「地域密着型エネルギー」であり、それによって得られる電力や売電収入を地域の活性化につなげていこうという取り組みも、各地で始まりつつある。かつては日本のエネルギー供給源として重要な役割を担いながら、近年は顧みられることもなくなりつつあった小水力発電が、なぜ今、再び脚光を浴びつつあるのか。その背景を探るとともに、「地域を元気にする小水力発電事業」の先進事例を追った。

川や用水路の水流と落差を利用する身近な再生可能エネルギー

 「毎日のように問い合わせがあり、スタッフは現地調査や指導に全国を飛び回っている状況です」。事務局の石坂朋久氏がこう話すように、全国小水力利用推進協議会には今、全国各地から、「小水力発電をやりたい」「この場所でできるか」といった問い合わせが相次ぎ、対応に追われている。

 小水力発電は、文字どおり、小規模な水力発電をいう。明確な定義はないが、一般には、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」の対象である出力1000kW以下の発電を指して使われることが多い。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、出力に応じ、以下のように区分している。

出力による水力発電の分類

出力による水力発電の分類
(出所)「マイクロ水力発電導入ガイドブック」(新エネルギー・産業技術総合開発機構)

 一般的な水力発電は、ダムなど水を貯める大規模な施設を建設して、大量の水を落下させ水車(タービン)を回して発電する。小水力も発電の原理は同じだが、水の流れや落差をそのまま利用する。主に、既存の水路に直接水車を投入する方式のほか、高低差をつけたバイパス管(導水管)を敷設する方式がある。

船間小水力発電所
2014年に運転を開始した鹿児島県肝付郡の船間小水力発電所の内部(全国小水力利用推進協議会提供)

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