九電・三菱商事が地熱発電、29年度までに 安定供給力生かす

 九州電力と三菱商事は地熱発電所を共同で建設する。2029年度までに熊本県内に出力1万5000キロワットの発電所を設ける。電力会社では電源構成を多様化させて供給力を高める動きが広がっている。九電は太陽光や風力発電などほかの再生可能エネルギーに比べて安定して電力を供給できる地熱の活用を進める。

 両社は熊本県南阿蘇村に地熱発電所を新設する。出力は1万5000キロワット程度。太陽光発電に加え、安定稼働する再生可能エネルギーによる電源を増やして、企業や家庭に電力を販売する。

 九電は九州に6カ所の地熱発電を持ち、設備容量は全国の4割以上を占めている。八丁原発電所(大分県九重町)は出力11万キロワットで国内最大規模。九電はノウハウを生かして発電所の開発を進める。

 一方、三菱商事は発電事業全体で世界で500万キロワットの持ち分発電容量を抱え、20年までに750万キロワットまで増やしていく考え。再生エネルギーによる電力供給を求める顧客のニーズも増えており、即応できる体制づくりを急ぐ狙いがある。

 地熱発電は発電時の二酸化炭素(CO2)の排出量がほぼゼロ。太陽光や風力発電と違って安定した電力の供給に蓄電池などを必要としない利点もある。日本は世界3位の地熱資源を持つが、これまで規制もあり活用が遅れていた。

 政府は30年に電源構成(ベストミックス)で再生可能エネルギーの比率を13年の約11%から最大24%まで引き上げる方針を打ち出している。太陽光と風力の比率は抑える一方で、補助金の交付などで安定して発電できる地熱の比率を高める。

 16年4月からの電力小売りの自由化をにらんで、既に首都圏向けに原子力発電所13基分に当たる火力発電の新設計画が相次いでいる。今後は地熱など再エネにも踏み込んで電源構成を増やす動きが拡大しそうだ。

[2015/5/20 日本経済新聞 電子版]

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