太陽電池の中国サンテック破綻 顧客、長期保証に懸念も ~国内品へ回帰の可能性

 太陽電池世界大手、中国の尚徳電力(サンテックパワー)が事実上の経営破綻に陥り、日本市場でも衝撃が走っている。割安さを武器に台頭してきた海外勢の筆頭格だっただけに、顧客の間では不安が広がる。保守体制などで優れた国内メーカー品への回帰につながる可能性もある。

 「製品の保証はどうなるのか」「支払いは滞らないか」――。サンテックパワージャパン(東京・新宿)のオフィスには取引先から電話が相次ぎ社員が対応に追われた。山本豊社長は「信頼を培うのは時間がかかるが失うのは一瞬。信頼回復に全力を挙げる」と話す。

 サンテックは2010年に世界最大手となったが、過剰な拡大戦略などで資金繰りが悪化。中国の銀行団が18日、中核企業である無錫サンテックパワー(無錫市)の会社更生法の適用を申請。今後は無錫市政府の支援のもと法的整理が進む。

 サンテックは09年に日本市場に本格参入し、シャープなどに次ぐ業界5番手。約5%のシェアを持ち、海外勢では最大手だ。日本は昨夏、太陽光でつくった電気を割高な固定価格で全量買い取る制度を開始。世界的に日本法人の業績だけは好調で黒字だっただけに山本社長は悔しさを隠しきれない。無錫市系投資会社が既に傘下におさめた工場から太陽電池を調達し事業を継続する方針だ。

 サンテックは太陽電池の性能に25年間の製品保証をつけてきた。この長期保証は米保険会社パワーガードの再保険に入っているが、保証の大前提は日本法人の存続だ。

 仮に存続しなくなれば顧客が再保険会社と交渉する必要が生じる。輸入品購入を検討していた企業の間では「サンテック・ショック」を見極めようと商談に慎重な姿勢も出始めている。一方で、メガソーラー(大規模太陽光発電所)に資金を出す企業などは長期的に安定した保守サービスを受けられる日本の大手からの調達を増やす可能性がある。

 海外製は日本製より2~4割程度安い。輸入品のシェアは昨年、3割の大台を突破。全量買い取り制度導入で好調な日本市場に中国など海外大手が攻勢をかけている。単なる安売りでは販売拡大が難しい。国内外の大手各社の間では生き残りを賭けて品質や保守体制の充実を含めた競争が一段と激しくなりそうだ。

[2013/3/23 日本経済新聞 電子版]

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