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第10回「森林未来都市・下川町の挑戦(前編)~過疎・高齢化の小さな町が発信する“日本を元気にするモデル”」

 北海道旭川空港から北へ約100キロ、車で2時間ほど走ったところにある、上川郡下川町――この人口約3500人の道北の町が今、日本だけでなく、世界中から注目を集めている。

 葛西紀明選手ら、スキージャンプのオリンピック選手を数多く輩出しているというだけではない。下川町は2008年、神奈川県横浜市、福岡県北九州市などとともに、最初の「環境モデル都市」に選ばれ、2011年には、東日本大震災の被災地以外の町村では唯一、横浜市、北九州市、富山県富山市、千葉県柏市という大都市と並び、「環境未来都市」に選定された。

下川町
周囲を森林に囲まれた下川町の市街地。

 2013年に、バイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちづくりを目指す「バイオマス産業都市」の選定も受けた同町には、国内外からの視察がひっきりなしに訪れている。夏は30度、冬はマイナス30度にもなり、およそ半年は雪で覆われる条件不利地にもかかわらず、Uターン・Iターンで移り住む若者も後を絶たない。

 なぜ、下川町のような小さな町が、こうした環境面での取り組みで、日本の自治体をリードし続けることができるのか。特別豪雪地帯、過疎地域に指定される地方の町の何が、都市部の若者を引きつけるのか。下川町のユニークな挑戦を2回にわたりレポートする。

  ◇      ◇      ◇

 下川町の面積は約6万4000haと、東京23区とほぼ同じだが、うち約9割が森林で覆われ、人口は23区の0.04%にも満たない。しかも65歳以上の人口の割合が38%という、過疎と高齢化の町だ。

 そんな下川町の「森林未来都市」の取り組みの3本柱が、豊富な森林資源を最大限に活用する「森林総合産業の創造」と、木質バイオマス(木材からなる再生可能なエネルギー源)活用による「エネルギーの完全自給」、そして誰もが安心して暮らし活躍できる「高齢化に対応した地域社会の構築」だ。

下川町の環境未来都市構想

下川町の環境未来都市構想
(資料提供)下川町

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