【基調講演】久野 譜也 氏 自治体ヘルスケア革命への道筋

2017年6月26日

筑波大学大学院
人間総合科学研究科教授
久野 譜也 氏

 現在の日本は約7割が健康無関心層といわれる。われわれが1万2千人を対象に行った実証実験では、健康無関心層を動かすにはインセンティブが有効だという結果が得られ、1人あたりの医療費抑制額は4~5万円に達した。現在このアルゴリズムを民間企業に委託するビジネスモデルを展開しており、今後100自治体、30万人以上への展開を目指す。

 人の健康づくりをするには、まちも健康でなければいけない。都市環境が健康を規定するというエビデンスは世界中で示されており、「車依存度が高い都市は糖尿病の患者数も高い」などの疫学データもある。地域公共交通と連携する国土交通省のコンパクトシティ・プラス・ネットワークは、人々の健康に資することにもつながる。

 一方、全国の自治体が財政難にある中で、新たな社会的投資スキームの創出が重要だ。志を同じくする複数自治体が連携して全体のパイを大きくするモデルの構築や、社会的投資を促進させる税制などが今後必要になるだろう。

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