【基調講演】小川 要 氏 新時代のエネルギー産業を見据えた改革の方向性

2016年11月15日

経済産業省 資源エネルギー庁
電力・ガス事業部
電力市場整備室長
小川 要 氏

 エネルギーシステム改革は、①安定供給の確保②料金の抑制③需要家の選択肢や事業機会の拡大、を主たる目的とし、段階的に進められている。電力における改革は昨年の広域的運営機関の設立により①を強化、そして②、③推進のため本年4月に一般家庭を含む小売り全面自由化を開始、20年の送配電部門の法的分離に向けた途上にある。完全自由化により、電力事業には新たに350社近くが参入、地域に根ざした事業者が多いのが特徴だ。消費者の切り替えは9月末時点で契約全体の3%程度、自由化で先行する諸外国と比べても着実に進んでいる。新しい電力会社への切り替えと既存の電力会社の別プランへの変更が同数程度である点は注目だ。

 一方ガスにおける改革は、もともと電力に先んじていたが、いよいよ来年4月から全面自由化が予定されており、新たな料金プラン作りなど準備が進んでいる。電力との違いとして、新規事業者の参入が難しく、現時点で新規登録者は4社と少ないこと、電力の送配電網に当たる導管網が面積にして全国の6%弱しかカバーしていないことなどが挙げられる。その導管部門の法的分離も22年には実施予定だ。

 今回の改革はエネルギー産業自体の競争力を高め、将来的には海外市場への進出をも視野に収める。グローバル化や取り扱うエネルギーの複合化、IT(情報技術)の活用による新サービスの創出などが期待される。

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