【基調講演】柏木 孝夫 氏 エネルギー自由化で実現する超スマート社会 Society5.0

2016年11月15日

東京工業大学
特命教授・名誉教授
柏木 孝夫 氏

 日本のエネルギー戦略は今後、今年まとめられたエネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI2050)に沿って進められる。一方、来るべき超スマート社会に向け第5期科学技術基本計画には「Society5.0」がうたわれた。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな社会を生み出す変革を、IoTやAIなどの科学技術イノベーションが先導するという意味だ。

 電力・ガスを含むエネルギー自由化は未来のビジネスモデルを展開する先導役になっており、超スマート社会におけるスマートコミュニティーを実現する第一歩といえる。公的資金を投入する分野だったが、電力自由化で民間投資が喚起できるようになった。

 今後、開発が期待されているのはコプロダクションだ。エネルギーと同時に水素などの物質を生産する新しいシステムの考え方で、二酸化炭素(CO2)排出立地にプラスチック工場を併設して、工場と火力発電所を一緒に輸出するところまで踏み込んでほしい。

 現在、日本版シュタットベルケ(地域エネルギー事業者)という新しいビジネスモデルが進められている。これは総務省・経産省・林野庁・環境省の4つの省庁が連携して、再生可能エネルギーを活用したスマートグリッド事業を導入していくものだ。電力・ガスの自由化は始まったばかりだが、この自由化で日本全体の経済の活性化につながっていくと確信している。

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