パネルディスカッション 水素が切り開く日本の成長戦略とスマート社会

2016年8月8日

<パネリスト>
山澄 克 氏
三浦 淳 氏
宮崎 淳 氏
山崎 明良 氏
小川 謙司 氏(東京都 環境局 都市エネルギー推進担当部長)=写真

<コーディネーター>
柏木 孝夫 氏


連携強め課題解決

柏木 水素社会に向けた自治体の取り組みを聞きたい。

小川 2020年を契機に水素社会の実現に向けて、水素をまちづくりの中でどう活用していけるかなどを検討している。

三浦 企業、大学、県や近隣の自治体と連携し、目に見える形で水素社会モデルを提示したい。企業施設見学など安全な水素利用を市民に知らせる活動にも注力する。

柏木 企業の取り組みから感じる課題は。

山崎 下水からの水素製造はフェーズ2、3を見越している。だがまずはフェーズ1が重要。水素ステーションに関わるコスト削減には安全を阻害しない規制緩和や技術パッケージ化などが必要だ。

宮崎 これまで取り組んできた技術・ノウハウを組み合わせ水素社会実現に貢献したい。"壊れることが許されない"規制がある製品を、メンテナンスで安全確保する方向にすることで低価格の欧米製品を使えるようになると思う。

柏木 望ましい連携とは。

山澄 今後も色々な周辺技術も生まれてくる水素社会を、できるだけ早く経済自立させるため、研究開発段階で絞りすぎず、広げすぎず、納税者に理解が得られる助成を実行していく必要がある。

小川 様々な事業者間の連携を積極的に行うなど、つなぎの役割を担うことが重要と考える。

三浦 川崎や横浜が産業都市のショーケースとして、20年に羽田に降り立つ多くの外国人に水素関連技術を見せられるよう、隣接自治体などとの連携を強めている。

柏木 国や自治体への要望は。

山崎 ぜひCO2フリー水素やバイオガス由来の水素ステーションに関しての補助・助成を考えてほしい。

宮崎 自治体のリーダーシップが重要だ。4大都市圏での水素ステーション整備では県知事が引っ張り、それを経産省が後押しする良い構図ができている。

今がダッシュかける時

柏木 今後の展望を。

山崎 再エネから安価かつ大容量に水素をつくる技術に力を入れる。フェーズ3に向け、水の電気分解技術や発電システムとの最適な組み合わせを探っていく。

宮崎 水素ステーション事業を早期に経済自立させるため、運営を含めた関連コストをできるだけ早く下げられるよう努力する。併せて水素導入を大きく後押しする政策に期待する。

小川 20年にどのように水素を使っていけるか、その先も視野に入れ、事業者や都民と連携を図りながら、しっかりやっていく。

三浦 様々な関係者と協力して課題解決を図り、川崎、日本から世界に強力なメッセージを送っていきたい。

山澄 水素社会構築が成長戦略の一翼を担う以上、皆が利用し事業として成立できるものにしなければならない。この数年間が正念場だ。産業界、自治体、市民と一緒に知恵を絞っていきたい。

柏木 水素社会を日本中に広げればジャパンブランドとなる。まずは20 年に向けダッシュをかける時だ。

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