【企業講演】山崎 明良 氏 水素製造装置と水素ステーションへの展開~下水バイオガスによる水素ステーションの実証

2016年8月8日

三菱化工機 プラント事業本部
水素ステーション部長
山崎 明良 氏

 水素の使用量が大規模になるにつれ、水素製造装置で供給するケースが増える。当社は触媒を利用し、炭化水素をセ氏800度程度の高温状態で水蒸気と反応させて水素を製造する「水蒸気改質」を採用している。製造装置については、省スペースを実現するコンパクト性、省エネ、安価な水素の製造やCO2排出量削減につながる高効率化などがポイントになる。

 当社は16カ所の水素ステーション建設実績がある。今後新たに水素ステーションの充填パッケージ技術を導入する計画だ。川崎製作所内に実証用ステーションを建設、川崎市の水素戦略と連携し、水素ステーションのパッケージ化を進め、適切なメンテナンス方法を確立するのが目的だ。

 国土交通省国土技術政策総合研究所からの委託研究により下水バイオガスから水素を製造し、水素ステーションで供給する技術実証にも取り組んでいる。当社のほか、福岡市、九州大学、豊田通商が参加し、福岡市が実証フィールドとして中部水処理センターとバイオガスを提供しつつ実証事業全体を支援、九州大学はバイオガス中の不純物の影響の調査を手がけている。豊田通商は事業性を評価し、当社が設備の建設からデータ収集、運転を担っている。

 実証事業の結果、下水バイオガスから水素を製造し、FCVに供給する事業が実現可能だとわかった。バイオガスは都市部で発生し、利用しやすい。化石原料由来の水素と比べて炭酸ガスの削減効果は非常に大きく、FCVや水素ステーションの普及促進に貢献できる。エネルギー自給率の向上で輸入エネルギーを削減できる効果もある。他都市への展開に向けてガイドラインを作成中だ。

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