【自治体講演】遠藤 雅彦 氏 水素社会の実現に向けた東京都の取り組み

2016年8月8日

東京都 環境局長
遠藤 雅彦 氏

 東京都は2014年から、水素社会の実現に向けて本格的な取り組みを始めた。水素は利用段階で水しか排出せず、環境負荷低減につながるほか、経済波及効果が期待できるなどの利点があるが、普及に向けて課題も多い。

 まず、FCVを普及させるためにも、水素ステーションを整備する必要がある。30年までに約150カ所整備する計画だ。次にFCVの普及だ。20年に6000台、30年に20万台を普及させる目標で、都は国の補助約200万円に加え、半分の約100万円を補助する。燃料電池バスも公営・民営合わせて20年までに100台以上を導入する方針だ。

 家庭用、業務・産業用燃料電池の普及も重要だ。家庭用燃料電池(エネファーム)の普及を後押しするため、HEMS(住宅エネルギー管理システム)と併せて導入する際の支援策を実施している。エネルギーの大消費地、東京で水素の需要を生み出すことが安定供給や価格低減につながる。

 環境負荷をさらに低減していくには製造段階でも二酸化炭素(CO2)を排出しない「CO2フリー水素」の普及が重要だ。太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの電力で水を電気分解し、水素を製造するシステムを実用化すれば、一段の環境負荷低減につながる。都は福島県や産業技術総合研究所などと協定を結んでおり、CO2フリー水素の研究開発を始めた。

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