パネルディスカッション スマートな都市づくり

2016年2月26日

<パネリスト>
野村 宜彦 氏(横浜市 温暖化対策統括本部長)
穴水 孝 氏(東京ガス 執行役員 営業イノベーションプロジェクト部長)
島岡 厚一 氏(東芝 社会インフラシステム社 ソリューション&サービス事業部 IoTプラットフォーム統括部 参事)=写真


平田 潤一郎 氏(すてきナイスグループ 取締役)

<コーディネーター>
一色 正男 氏(神奈川工科大学 創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科教授 スマートハウス研究センター所長)


5年間で15のプロジェクト推進

一色 横浜市の活動を紹介してほしい。

野村 横浜市は人口が急増して環境問題に直面したが、「連携」をキーワードに乗り越えてきた。20を超す企業と環境保全協定を結んでいるほか、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)を導入した4200世帯と意見交換を続けている。また、高所の電球交換が難しい高齢者世帯を中心に、イケア・ジャパン等と連携して省エネで長寿命のLED照明の普及を進めている。

一色 横浜スマートシティプロジェクトはどう進んでいるか。

野村 5年間で15のプロジェクトを推進した。HEMSのほか、電気自動車(EV)目標2000台の達成など様々な成果を得られた。現在は実装に向けて取り組んでいる。

穴水 磯子の社宅でスマートシステムを構築して実証実験した。夏のピーク時に受電電力を約50%削減できた。

島岡 住宅など個別のエネルギーマネジメントと、全体のピークカットをテーマに取り組んだ。横浜市全域の省エネの進み具合を、市民などにより見えるようにするべきと感じている。

無理なく楽しく連携深める

一色 スマートハウスは健康に役立つのか。

平田 室内の急激な温度変化で生じるヒートショックによる事故の削減に寄与する。CO2の削減に貢献する木材の活用も健康と環境の両面から価値が高い。

穴水 ヒートショックでは、家の中の温度のバリアフリーが重要だ。省エネに加えて健康増進など生活者の視点で、どのようなサービスが提供できるか考えたい。

一色 HEMSで得られた知見はどうか。

島岡 皆の協力で20%の節電ができるという有効なデータを得られた。経済産業省では成果を精査し、目指すべき方向性を検討している。

野村 市民と議論を続けているが、どう実装につなげるかが難しい。見えにくい削減効果を、市民にわかりやすく伝えることが大切だ。

一色 スマートな都市づくりで重要な点を挙げてほしい。

島岡 IoT技術を適用した蓄電池の有効活用が重要だ。

穴水 エネルギー自由化に向け、価格面のメリットに加え、魅力あるサービスを提供したい。

平田 市民がより楽しく体験しながら学ぶことができる場づくりを目指していきたい。

野村 共感と連携で、楽しく無理なく、「横浜すごいね」と思われる街にしていきたい。

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