パネルディスカッション 持続可能な住宅地モデルプロジェクト

2016年2月26日

<パネリスト>
信時 正人 氏(横浜市 環境未来都市 推進担当理事)=写真


東浦 亮典 氏(東京急行電鉄 都市創造本部 開発事業部 事業計画部 統括部長)
尾神 充倫 氏(都市再生機構 東日本賃貸住宅本部 神奈川エリア経営部・団地マネージャー)
長島 弘和 氏(相鉄ホールディングス 経営戦略室 ブランド戦略担当 部長)
有友 フユミ 氏(お互いさまねっと公田町団地 理事長)

<コーディネーター>
小泉 雅生 氏(首都大学東京 都市環境科学研究科建築学域 教授)


多彩なアプローチ

小泉 横浜市はOECDの「高齢社会における持続可能な都市政策」プロジェクトのケーススタディー都市に選ばれた。

信時 ここに参加の民間企業と連携した「持続可能な住宅地モデルプロジェクト」をはじめ、健康増進に向けた「よこはまウォーキングポイント」、非営利組織との協働事業などが評価された。市民力とリノベーションが横浜の強みだ。

小泉 その住宅地モデルプロジェクトについて。

東浦 横浜市の北の端、田園都市線・たまプラーザ駅周辺で郊外住宅地の再生事業を進めている。郊外の新しいワーク&ライフスタイルを追求した「横浜モデル」の確立を目指している。

長島 相鉄いずみ野線では、ベッドタウンで単機能であった街の多様化を目的とし、3駅前で住宅・商業・福祉機能を取り入れた複合的なリノベーションを進めている。また住民や産・官・学が協働・連携できる仕組みを模索している。

尾神 JR根岸線・洋光台駅前の団地のある約1万戸の郊外住宅地で次世代のまちづくりを進めている。団地は成熟経済、急速な少子高齢化、空き家の増加など日本社会の縮図といえる。各界の著名人や防災・健康の専門家ら様々な人の意見を取り入れている。

有友 公田町団地には約1900人が暮らし高齢化率は40%を超える。私たちは多目的施設を交流の場に地域包括センターや区役所と連携し、日々の生活支援や助け合いを通じて誰もが安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいる。

市民、企業、行政が密に連携

小泉 今後の課題などは。

東浦 地域の方々との密な交流から共感と理解が得られた。住民を主役に関係者の相互理解が鍵を握る。

長島 豊かな自然や子育て環境など地域の資源を生かすとともに、地域のニーズに応えるビジネスモデルを構築することが、持続可能な住宅地の鍵になると考える。

尾神 全戸対象のアンケート調査で街並みや自然環境は評価が高いが、街のにぎわいや利便性は低評価だった。3年ごとに調査を続け活動に反映していく。

有友 担い手不足が一番の課題。互いに顔見知りをいっぱい作り、一人暮らしでも安心して住み続けられる団地にしたい。

信時 市民、民間企業、行政の論理はかなり違う。それらをコーディネートし、新しい価値を作り上げることが横浜市の役割だ。それには社会学と哲学を中心に据え、それらを実現化し、実装する技術が必要となる。

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