【基調講演】塚本 博之 氏 次世代EMSが拓くエネルギー新時代

2015年12月18日

明電舎 電力・社会システム事業部 副事業部長
兼 システム事業企画部長
塚本 博之 氏

 当社がフォーカスしている次世代EMSはコージェネ、太陽光発電、蓄電池などの分散型電源を制御する電源制御型のEMSだ。従来のEMSは電気を消費する側を管理する負荷制御型だが、次世代EMSは分散型電源の最適構成と最適運用を実現する。最適とは「ランニングコストが最安」ということである。

 次世代EMSの適用領域は広く、単独事業所からマイクログリッド、VPP(バーチャル・パワー・プラント)まで適用可能。すでに横浜市民総合医療センターと横浜市南区庁舎での面的利用などの導入例がある。

 次世代EMSは、例えば任意の30分間に5千㌔㍗必要としたとき、どの電源の組み合わせが最もコストが安いのかを計算し自動制御する。負荷予測、系統電力単価、燃料費単価、分散型電源の機器仕様等のデータを基に計算するのが最大の特徴で、前日夕方に最も経済的な組み合わせを30分単位で計画し運転する。

 電力システム改革で想定される環境変化に顧客のプロシューマー(消費者兼生産者)化が挙げられる。消費者が分散型電源を持ち生産者として市場へ参入する場合、多様な取引市場やシステムが必要になる。それが次世代EMSに求められる機能である。そのような世界では電源の経済制御を行うEMSが不可欠で、経済性判断を伴ってこそ持続可能なモデルになると考える。分散型電源を社会全体で最も効果的に活用するシステムがVPPだ。政府の方針では、2020年までにVPPモデルを確立するとされている。

 今後はサーバーがクラウド化したように分散型電源のクラウド化が起こり、高度な金融技術も必要になる。また、ウェブのようにEMS同士が無限につながる時代も到来するだろう。

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