【基調講演】矢野 孝 氏 住友電工のスマートエネルギー社会実現への取り組み

2015年12月18日

住友電気工業
インフラ事業推進部 次長
矢野 孝 氏

 住友電気工業のインフラ事業にはエネルギー、モビリティー、コミュニケーションの3本柱があり、モビリティースマートとエネルギースマートの2つのスマート化に挑戦している。モビリティースマートは交通管制システムや信号制御、交通インフラセンサーに加え、プローブ情報を活用したクラウドサービスや、スマートフォンにルート案内情報を提供するアプリを手がける等、次世代のITS実現を目指している。

 エネルギースマートでは発電、蓄電、節電を柔軟に組み合わせて融通し、全体最適を図ることを目指し、レドックスフロー電池と、デマンドレスポンス機能を含むEMSに注力している。エネルギーリソースとして群を抜く電力需給調整力の蓄電池を最大限に活用するモデルの導入を進めている。レドックスフロー電池は、共通のタンクから個々のセルに電解液を循環させる構造のため、充電の均一性を保つのが容易で、長寿命で安全性にも優れる。

 電力ネットワーク全体としての調整力不足が明らかになるなか、散在する電力リソースを多面的かつ経済的に活用する必要があり、新しい市場制度の下で、これらを総動員する解決手段を提供したい。

 エネルギースマートへの取り組みは大きく、電力系統向け、大規模需要家向け、中小規模事業者向け、家庭向けの4つに分類できる。電力系統向けには系統安定化へのレドックスフロー電池の適用と、その高度で多面的な利用を推進している。大規模需要家向けには需要側でEMSを活用した分散電源制御により供給側からの電力削減要請に正確に合わせられる全自動運転を進めている。中規模需要家向け、家庭向けを含め様々な実証プロジェクトに、インフラ企業と共に取り組んでいる。

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