【基調講演】進士 誉夫 氏 スマート社会に向けた産学官の連携と東京ガスの取り組み

2015年12月18日

東京ガス 営業イノベーションプロジェクト部
スマエネエンジニアリンググループ
グループマネージャー
進士 誉夫 氏

 電力システム改革とともに、顧客のニーズに合わせたエネルギーマネジメントが重要になる。具体的には、まずコージェネレーション(熱電併給)の停電時の運用がある。震災時においてもコージェネによって、安定的に電力・熱供給を継続できた六本木ヒルズのように、いざというときもエネルギー供給を継続できるという価値の重要性は高まっている。

 次に、電力の需給調整能力が限られる中で需給を合わせるためには、需要側の調整(デマンドレスポンス)が必要になる。当社が磯子のスマートハウスで真夏に実証した結果では、家庭用燃料電池の運転によって、ベースラインと比べ平均58%の受電電力の削減効果を得られた。

 コージェネは再生可能エネルギーによる発電の出力変動を補完する役目を果たせる。応答速度が速いガスエンジンなどを使えば、再生可能エネルギーの出力変動をならせる。蓄電池を使って出力を制御する場合でも、コージェネは有効な手段だ。

 電力だけでなく、熱も含めて総合的なマネジメントをすることも重要だ。建物によって昼と夜で電力需要が異なるため、エネルギーを面的利用すれば、省エネ効果を高められる。幕張の地域冷暖房では、コージェネの廃熱も有効利用し、各建物の需要に応じて熱と電気を地域で最適に利用している。

 当社は早稲田大学ACROSSと連携し、磯子のスマートハウスや幕張の地域冷暖房でデマンドレスポンスなどの研究にも取り組んでいる。エネルギーマネジメントによって、光熱費の削減という直接的な価値だけでなく、安心や利便性、環境性などさらなる付加価値も提供していきたい。

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