【基調講演】嶋村 和行 氏 持続可能な社会に向けたZEBイノベーション

2015年12月18日

大成建設 エグゼクティブ・フェロー
環境本部 副本部長
嶋村 和行 氏

 日本は東京や大阪など国土の5%しかない都市部に、全国の約半分の人口とエネルギー消費が集中している。そこで当社は、建物単体で年間エネルギー収支ゼロを達成する「都市型ZEB」の実現に向けて取り組みを続けてきた。

 2010年には札幌支店ビルでエネルギー消費量を52%削減したハーフ・エネルギー・ビルを実現。そして14年6月に運用開始したZEB実証棟では、1年間でエネルギー消費量を一般ビルに比べて約75%削減、さらに約27%の創エネを実現し、国内都市部で初のZEB達成となった。

 ZEB実証棟は地上3階建てで約1300平方㍍。屋上面に単結晶シリコン型、外壁面には有機薄膜型の太陽光発電システムを設置。リアルタイムで人の在・不在を検知できる次世代型の人検知センサーを設置し、そのセンサー情報から空調制御や照明点灯も行う。さらにタスク&アンビエントシステムによって、基準ビルと比較して照明エネルギーの86%、空調エネルギーの76%削減に成功した。これらのシステムは、「T-Green BEMS」によって効率的に運用される。

 ZEBの普及展開に向けて、当社はZEB実証棟の実績をベースに「T-ZEBシミュレーター」という計画・評価ツールを開発した。立地条件から創エネルギーポテンシャルを評価し、さらに方位や断熱・設備システムなどから建築的な省エネルギー評価を行う当社独自の計画技術だ。さらに、街区レベルでZEBを実現するために、建物相互の影響を考慮したスマートコミュニティー評価ツール「低炭素街区シミュレーター」も開発した。これらを活用して異業種間連携を図りながら低炭素化に貢献していきたい。

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