【基調講演】小川 要 氏 電力システム改革が創り出す新しい生活とビジネスのかたち

2015年11月30日

経済産業省 資源エネルギー庁
電力・ガス事業部 電力市場整備室長
小川 要 氏

 東日本大震災後に電源構成が原子力から火力に置き換わったこともあり、電気料金が大きく上昇した。政府は2030年に向けて省エネを進めた上で、再生エネルギーや原子力、石炭などをバランスよく導入する計画だ。

 電力システム改革は3段階で進めている。第1弾は今年4月、安定供給を担う広域的運営推進機関の設立。第2弾が来年4月の小売りの全面自由化で、第3弾は20年の送配電の分離だ。小売りはすでに、全体の6割程度が自由化されている。来年4月に開放される市場規模は約8兆円、需要家数は約8500万だ。この規模での自由化は世界初といえ、欧米の事業者が参入機会をうかがう。

 国内でも新規参入が相次ぎ、製造業やサービス業など様々な事業者から110件を超す登録申請がでている。各電力会社でも、区域を越えた競争が始まりつつある。事業者が消費者に契約切り替えの話を始めるのは年明け以降となるが、消費者の選択は読みにくい。ただ、一度変わり始めると結構早く動く可能性がある。

 改革の目的は消費者利益を図りつつ、事業者の競争力を高めて新ビジネスを創出する点にある。デマンドレスポンスと呼ばれる需要抑制の取り組みや、スマートメーターを使ったデータの活用などが期待されており、多くの新サービスが生まれそうだ。

このサイトについて

日本経済新聞社について