【基調報告】福岡 孝則 氏 DBJグリーンインフラ研究会からの提言

2018年6月19日

東京農業大学 地域環境科学部造園科学科
ランドスケープデザイン研究室 准教授
DBJグリーンインフラ研究会 座長
福岡 孝則 氏

 グリーンインフラの目的は、ハードの整備が中心だった従来型インフラとは異なる。グリーンインフラとは都市のサステナビリティー(持続可能性)を高め、景観形成や健康・レクリエーション機能を通じたリバビリティー(住みやすさ)を高める基盤構造であり、どう戦略を立てて構築するかが非常に重要だ。たとえば、多機能化した公園緑地を基点にエリア全体の価値を高めたり、グリーンインフラに資する都市農地の多面的な機能を図り、土地利用誘導を行ったりすることが大切になる。

 東京都の住民2800人を対象にした調査では、グリーンインフラの整備・維持の費用について住民の半数近くが負担してもよいと答え、約75%が「緑の活動」への参加意思があった。日本におけるグリーンインフラの普及促進には、定量的な費用便益分析が必要であり、公共に加えて民間活力の活用も欠かせない。欧米の先進事例を参考とした街区単位での環境認証、金融手法の活用、モデル事業の実施や民間企業・住民負担のあり方などを議論しながら、社会実装を展開・実践していく必要がある。

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