【基調講演】山崎 満広 氏 グリーン先進都市、米国ポートランドから学ぶ地方創生

2018年6月19日

Creative City Labo代表理事
山崎 満広 氏

 私は1995年に渡米、2012年に米オレゴン州ポートランド市開発局にビジネス・産業開発マネジャーとして入局。地元企業の輸出支援や対内投資、企業誘致を担当した。昨年独立・起業し、都市開発や地域経済開発などのコンサルティングを手掛けている。

 ポートランドはかつて全米で一番汚い街といわれた。産業優先の政策で川には工場廃水が垂れ流され、街には建物よりも駐車場のほうが多く、住みにくい街だった。

 それが、1972年、米国で一番若い市長が立ち上げたグランドデザインをきっかけに変わった。緑地を増やして車の乗り入れを減らし、働く場所とショッピング街、住居、緑地、公共交通などのインフラを集約し、人が住んでくつろげる街に変えていった。

 再生デザインコンセプトは「エコディストリクト」。ビジネス支援と居心地のよさを両立させる考えのもと、70年代からずっと人々の意見を大事にし、官民が手をつないできたことで今日がある。

 代表地区の一つ、パール地区では食・住・働・遊などの各拠点を公共交通が20分以内で結ぶ。地区面積の3割強を占める道のデザインも工夫し、建物のオープン性や公園の配置などとともにコミュニティーが生まれやすくした。 ロイド地区では環境保護・省エネ化を図った。建物の屋上を緑化し、大きな駐輪場を建てて駐車場は地下に移した。生活排水や下水、雨水はリサイクルし、トイレや散水、冷房用などに再利用している。

 同市には資金面を長期に支える仕組みがあり、魅力的な街づくりを支えている。今や能力ややる気のある若者が移り住む人気の街に生まれ変わった。目に見えない部分も大事にしてきたことがポートランドの魅力の根源になってい る。

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