【講演】牧野 光朗 氏 地域内発型の産業振興と地域人教育─コミュニティと産業界の調和─

2018年3月19日

長野県飯田市長
牧野 光朗 氏

 人口10万人の地方都市である長野県飯田市は、市田柿など果物の産地で、精密機械産業が主要産業だ。

 現在の日本は「人口減少・少子化・高齢化」「財政難」「自立心が欠如した受け身の地域社会」という右肩下がりの3重苦を抱えている。特に人口減少については、子育て世代が出生率の低い大都市圏に一極集中していることが最も大きな問題だと捉えている。

 多くの若者が高校卒業を機に大学進学や就職のために地域を離れ、子育て世代になっても大都市にとどままり、地域に戻ってこない。地域の人口が減って地域社会が寂れる、そんな〝負のスパイラル〟が起きている。そこで当市は若い人たちが自分たちの生まれた地域を学び、愛着を持ってもらうことを目的に、市内高校、県内大学と協力して「地域人教育」に取り組んでいる。

 若い人たちが地域に戻って生活していくには、経済自立度を高める方策が欠かせない。新たな産業づくりのために当市は地域経済活性化プログラムを策定。南信州・飯田産業センターが主体となり、航空機産業をはじめとした新産業の創出を支援している。

 地域づくりにも注力している。従来のトップダウン型の自治会の仕組みをボトムアップ型に改めた。その結果、市内20地区のうち17地区が自分たちの地域の将来像をデザインする地区基本構想を策定した。残りの1地区は今年度中に策定予定で、2地区も策定準備中だ。

 まずは地域の当事者意識を高める努力が求められる。それを共創の場につなげて自分たちの地域をつくりあげていくことが重要だ。

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